放送・掲載日 | タイトル / 放送局等 |
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2005/10/29 | 土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS! / TBSラジオ |
2005/11/11 | 読売新聞 東京版 / 読売新聞 東京版 |
スタジオ・イヴ / ストリングラフィについて
水嶋一江は桐朋学園大学作曲科でクラシック音楽の作曲法を学んだ後、カリフォルニア大学作曲科修士課程で現代音楽を研究した作曲家です。1992年にプロデューサー、八重樫みどり等と共にスタジオ・イヴ(東京)を結成し、1996年以降“ストリングラフィ アンサンブル”による作曲・演奏活動を続けています。1992年の春、山形県月山の麓で行われたパフォーマンス・フェスティバルに参加した水嶋は、森の中で木と木の間に糸を張り、森全体を楽器にして演奏してみたいとひらめいたのです。糸電話の原理を応用し、糸の両端に紙コップを取り付けたところ、糸を擦るとコップがスピーカーの役割を果たして思いがけない程大きな音を発しました。その音は、ヴァイオリンの音、人の声や動物の鳴き声、風の音の様でもあり、自然界の音と楽器の音の、両方の特質を表現できる奥の深い楽器だという事に気付きました。以来、水嶋はこの絹糸から生まれる音に魅せられ、糸の張り方、チューニング、演奏方法、共鳴体の材質、PA装置などを研究し、試行錯誤の末、徐々に繊細な音楽を奏でるようになりました。
1996年にはISCM(国際現代音楽家協会)主催の“WorldMusicDays’96”のインスタレーションの部に日本人として初めて入賞し、デンマークで作品発表を行い好評を博しました。劇場、美術館、フリースペースなど、どんな場所でも糸を張り演奏をすることが可能です。演奏形態もコンサート形式から、トークを交えたライヴ形式、出入り自由の大道芸形式まで自由自在です。ワークショップ、レクチャーなども多数行い、今後はさらに学校、病院、老人ホーム、多種の福祉施設など、様々な現場における幅広い活動を目指しています。